2025京都の夏の風物詩:六道まいりとは?お盆に先祖を迎える神秘の習わし

開催期間

2025年8月13日 - 2025年8月16日    
12:00 AM - 11:59 PM

開催場所

六道珍皇寺
東山区小松町595, 京都市, 京都府, 〒605-0811

イベントタイプ

地図を読み込んでいます...

京都の夏は、祇園祭や五山送り火といった華やかな行事が有名ですが、その裏側には、静かで厳かな「六道まいり」という伝統的な習わしが息づいています。お盆に先祖の精霊を迎えるためのこの行事は、京都市民にとって大切な夏の風物詩。今回は、その歴史と見どころ、そして参加方法についてご紹介します。

六道まいりとは?

六道まいりとは、お盆(8月13日〜16日)に先祖の精霊を自宅に迎える準備として、「六道の辻」と呼ばれる場所にある寺院を訪れ、迎え鐘を突き、高野槙(こうやまき)という枝に水を含ませて供養する行事です。

特に有名なのは、東山区にある六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)と、その近くの六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)です。

  • 六道珍皇寺:
      • 「この世とあの世の境」とされ、冥界への入り口があったと伝えられています。小野篁(おののたかむら)が夜な夜な冥界に通ったという伝説が残る井戸があります。
      • ここで「迎え鐘」を突き、ご先祖様の精霊を呼び戻します。

    • 六波羅蜜寺:
        • 空也上人(くうやしょうにん)が開いた寺院で、現世利益の寺として信仰を集めています。六道まいりの時期には、水塔婆(みずとうば)を流して供養します。

      六道まいりの歴史と意味

      六道まいりの起源は平安時代にまで遡ると言われています。かつて鳥辺野(とりべの)という葬送の地へ向かう道筋に位置していた六道の辻は、まさに生者と死者の世界が交わる場所と考えられていました。

      お盆にご先祖様が帰ってくる際、この六道の辻を通って現世に戻ってくると信じられており、子孫が寺院を訪れて迎え鐘を突き、精霊を自宅へと導くための大切な儀式として受け継がれてきました。

      六道まいりの見どころと参加方法

      六道まいりは、観光客も参加できる行事です。

      1. 迎え鐘を突く(六道珍皇寺):
        • 六道珍皇寺の境内に入ると、独特の音色を響かせる「迎え鐘」があります。この鐘を突くことで、ご先祖様の精霊を呼び戻すとされています。
        • 鐘の音は、どこか懐かしく、厳かな雰囲気を醸し出しています。
      2. 高野槙に水を含ませる(六道珍皇寺):
        • 境内で授与される高野槙の枝に、水を含ませて持ち帰ります。この高野槙は、自宅でご先祖様の精霊を迎えるための依り代(よりしろ)となります。
      3. 水塔婆を流す(六波羅蜜寺など):
        • 六波羅蜜寺では、水塔婆に戒名や名前を書いてもらい、水に流して供養します。

      参加の際の注意点:

      • 混雑: 特に夕方から夜にかけては非常に混雑します。時間に余裕を持って訪れましょう。
      • 服装: 寺院での行事ですので、派手すぎない服装を心がけましょう。
      • マナー: 厳粛な行事ですので、静かに参加し、他の参拝者の迷惑にならないように配慮しましょう。写真撮影は、他の参拝者の邪魔にならないよう、またプライバシーに配慮して行いましょう。

      まとめ

      六道まいりは、京都の夏の暑さの中に、ひっそりと息づく神秘的な伝統行事です。お盆にご先祖様を迎え入れるという、日本人にとって大切な心を再認識させてくれる貴重な機会となるでしょう。

      五山送り火とはまた異なる、京都の奥深い精神文化に触れてみたい方は、ぜひ六道まいりに足を運んでみてはいかがでしょうか。

      コメントする