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開催時期: 毎年8月7日~15日 8月16日お精霊送り
京都のお盆は、ご先祖様を迎え、共に過ごし、そして再びあの世へと送り出す一連の行事で構成されます。その中でも、千本ゑんま堂(引接寺)は、この「迎え」と「送り」の両方において重要な役割を果たすお寺として知られています。今回は、千本ゑんま堂で行われる「お精霊迎え(おしょらいさん)」と「お精霊送り」について詳しくご紹介します。
千本ゑんま堂とは?
正式名称は「引接寺(いんじょうじ)」。通称「千本ゑんま堂」として親しまれています。本尊は閻魔大王(えんまだいおう)で、地獄の審判を司る閻魔様を祀る珍しいお寺です。
このお寺は、平安時代に小野篁(おののたかむら)が冥界と現世を行き来したという伝説が残る場所としても知られています。そのため、お盆の時期には、ご先祖様がこの世に戻ってくる際の「通り道」として、多くの人々が参拝に訪れます。
迎え鐘(引導鐘)とは?
千本ゑんま堂の迎え鐘は、その名の通り、お盆にご先祖様の精霊を現世へと「迎える」ための鐘です。正式には「引導鐘(いんどうがね)」と呼ばれ、その音色には、迷うことなく精霊が子孫の元へたどり着けるように導くという意味が込められています。
迎え鐘の見どころと参加方法
- 独特の音色:
- 千本ゑんま堂の迎え鐘は、一般的な除夜の鐘などとは異なり、低く、長く響く独特の音色を持っています。この音色が、ご先祖様を優しく迎え入れる雰囲気を醸し出します。
- 参拝者の列:
- お盆の期間中、特に夕方から夜にかけては、多くの参拝者が鐘を突くために列を作ります。その光景自体が、京都のお盆の風物詩となっています。
- 精霊迎えの儀式:
- 参拝者は、鐘を突いた後、境内で授与される高野槙(こうやまき)の枝に水を含ませて持ち帰ります。この高野槙は、自宅でご先祖様の精霊を迎えるための依り代(よりしろ)となります。
参加の際の注意点:
- 混雑: 特に夕方以降は非常に混雑します。時間に余裕を持って訪れましょう。
- 服装: 寺院での行事ですので、派手すぎない服装を心がけましょう。
- マナー: 厳粛な行事ですので、静かに参加し、他の参拝者の迷惑にならないように配慮しましょう。
まとめ
千本ゑんま堂の迎え鐘は、京都のお盆の時期に、ご先祖様への感謝と供養の気持ちを込めて行われる大切な伝統行事です。独特の鐘の音に耳を傾け、京都の奥深い精神文化に触れる貴重な体験をしてみてはい かがでしょうか。